色々なレイアウト

 

チラシ制作レイアウトシニア向けのレイアウトにしたい。高級感を伝えるためにはシンプルにし、伝わりやすいものを目指します。要素のそれぞれが無駄なくまとまるように配慮します。

  • シニアに配慮すべきこと

シニア向けの媒体では見やすさやわかりやすさを重視する必要があります。その意味では子供向けのレイアウトと共通する部分もありますが、シニア向けの媒体は一般に子供向けのものよりも、複雑で多くの情報を掲載します。したがって、情報をわかりやすく整理して、導線にも配慮したレイアウトにする必要があります。紙面の雰囲気作りは、掲載する情報の内容やシニアの好みから導き出しましょう。当然、子供っぽい元気なものではなく、落ち着いた雰囲気のものが多くなるはずです。

  • チラシレイアウトはシンプルに

レイアウトの構造は、シンプルでわかりやすくすることがもっとも大切で、書体もポップすぎるフォントや極太のフォントは使用しません。オールドスタイルの明朝体や、楷書体などがよく使われ、ゴシック体の場合でもあまり懐の広いフォントは向きません。

配色面では市アドを抑え気味にして、比較的落ち着いた色を使うことが多く、色数も少な目にします。

なお、レイアウトの経験が少ない人ほどベーシックなレイアウトをつまらないと感じ、奇をてらったものを作ろうとする傾向があります。もちろんそういった新奇性を要求される場合もありますが、シニア向けの媒体では、奇をてらったレイアウトはあまり必要とされません。ベーシックでわかりやすいレイアウトを美しく見せることを心がけましょう。ベーシックなもの、シンプルなものほどごまかしがきかず、みせる技量が問われるものです。

  • 複雑な要素の整理と強調

掲載する情報が多くなるシニア向けの広告やダイレクトメールなどは、雑誌などのレイアウトよりもさらに見せ方や情報の整理に注意を払わなければいけません。

ターゲットであるシニア層に対して、一番最初に配慮すべきことは、これがシニア層をターゲットとした情報であるということを一目で理解できるようにすることです。テキストや図版だけで理解してもらうのは非常に難しいので、同年代の人物写真を使って、それを表現するという方法がよく使われます。

ただし、セールスが目的ですから、オーソドックスな見せ方であっても、目を引くキャッチーな部分を作る必要があります。例えば、左上の受講生募集や、パソコン教室の左にある初心者の方、シニアのための、下段中央の無料体験レッスン開催中などです。それぞれに目立たせる装飾や工夫を凝らしていますが、派手すぎず、適度な強調感にとどまっています。

  • チャートや時系列の見せ方

チャートや時系列などの見せ方もターゲットがシニア層の場合は配慮すべき項目です。例えば、一か月三か月の達成結果とひと月ごとの変遷を示す二つのチャートがあり、両方とも上から下に時間を変化させています。これがどちらかが縦でどちらかが横に変化する図であったなら、かなり雑に見えてしまいます。物事の変化を示す図がいくつかある場合は、見せ方が違っても、上から下に向かって変化するというように、ルールを決めて、変化の方向をそろえたほうが混乱しません。

またチャートは横に変化するものよりも縦に変化していくもののほうがスピーディーに伝わります。じっくり読み進んでもらえるような媒体であれば、横方向でも構いませんが、広告やダイレクトメールの場合は早く伝わる方法を選んだほうがいいでしょう。

文字をグラフィック要素にしたい

  • 文字をグラフィック要素にしたい

文字は情報伝達の要素ですが、グラフィック要素として扱うこともできます。素材が少なかったり、淋しさを感じるときに重宝します。

  • 表意文字と、表音文字の違い

表意文字である漢字は、表音文字のアルファベットと比べてはるかにグラフィック要素になりやすいという特徴を持っています。グラフィカルな書体を使うだけでなく、文字を部首に分解して、意味を先祖返りさせたり、文字の意味を強調した装飾を施すといった手法もよく使われます。

  • 文字による模様

先ほどの例は多くても数文字に利用する手法ですが、組み方によっては長文を模様のように見せることもできます。いわゆる地紋として文章を使う手法です。

地紋として使う場合は、背景として使用するオーソドックスな方法のほかに、作例のように、全体にオーバーラップさせる使い方もあります。作例では全体を同系の色相でまとめているので、一目では気づきませんが、よく見ると、右上のロゴだけではなく、楽器の部分でも文字を逃がしているのがわかります。これにより、文字が重なっている椅子が背景として見え、文字が重なっていないサックスが浮き彫りになり、主人公であることが明確に伝わります。

このように、文章を模様として使用するメリットは、文字自体は視覚的な意味を持たない点です。例えば、作例で文章でなく、幾何学模様を引いた場合、受け手は模様にどういう意味があるかを考え始め、主人公である楽器を忘れてしまうかもしれません。文章ならば、読めば意味は分かるわけですから、見る側は迷わなくなります。

「レイアウトが寂しいので何か模様がほしいけれど、ぴったりくるような模様がない」といった場合によく使われます。ただし、文字目立ちすぎると、文章の意味への興味のほうが強くなってしまうため、注意が必要です。

  • 文字に感情を与える

フォントはそのエレメントの形状や骨格の厚さなどから感情を感じさせます。例えば骨格の細いフォントは、太いものよりも繊細さを感じるものです、太いフォントには皇室観やエネルギーを感じます。

フォントが持つこういった感情を利用することはデザインの基本といえます。さらにそれを強調するためにフォントに加工を施したり配置を工夫することで、テキストとしての存在を超え、グラフィック要素として成立させることもできます。

作例は、ロックの骨太さや激しさを表現するために極太のフォントを使っています。さらにエッジにざらついた処理を施し、紙面からはみだすように斜めに配置することで存在感を際立たせ、フォントそのままの状態では出せない熱い感情や臨場感を出しています。

  • モノに対して存在感を与える

文字をフォントではなく、モノとして扱うことでも紙面上での存在感が高まります。

作例は、見出しにある、やめるべき6つのことをリストアップして開設した紙面ですが、この数字を通常のフォントで配置したら、説明的で冷たい印象になってしまうかもしれません。ここでは数字のオブジェの写真をリズミカルに配置することで紙面に楽しさを演出しています。

また、このようにものとして扱うと、存在感が高まるので、視線もそれぞれに引き付けられます。散漫な印象になったり、視線誘導がうまくいかないといった事態も避けられるでしょう。

他にも、ノートにてがきで文字を書いて撮影するなどの方法も考えられます。与えられた文字をどう置くかだけ考えているとこのような工夫からは離れがちですが、物足りない時は、必要な要素を自分で考えて作ることも視野に入れてみましょう。

インパクトのあるレイアウトにしたい

  • インパクトのあるレイアウトにしたい

レイアウトにインパクトが必要になるのは存在を強く主張したい場合といえます。見る人に存在をアピールすることは見慣れないもの、目立つものにすることが重要です。

  • 見慣れない色や構図、形

視覚的なインパクトは①配色②形③トリミングや構図の3つの要素をもとに考えるとよいでしょう。例えば、蛍光のイエローやピンクは自然界でもあまり見慣れない色なので、目を引きます。星形や、爆弾マークは形に突起があり、刺激的です。写真やイラストは題材を大きくトリミングすると迫力が出て、強い印象を与えます。どのような場合でも見慣れた色や形、構成では強い驚きや印象を与えられません。見慣れないもの、非日常的な色や形、構成が視覚的に強い衝撃となって、レイアウトにインパクトを生みます。日常的でない物事や風景の写真、例えば、氷山や砂漠の風景は見る人に非日常的な空間を伝えて印象に強く残せます。Photoshopなどの画像編集ソフトを使えば非現実的な光景を作り出せますが、見る側が作り物とわかると、インパクトを与えるのは難しいです。実際に起こった出来事をとらえたドキュメンタリーや偶然とられた写真、ユーモアのある写真のほうがインパクトを残しやすいでしょう。

  • TPOを考える

インパクトを出すときの注意点は、目的やターゲット層にあった表現であるかどうかです。例えば爆弾マークはスーパーなどのチラシで多く見られ、価格の安さを強調する目的で使われます。では高級なバイオリンのカタログに爆弾マークを使うとどうでしょうか。インパクトは与えるかもしれませんが、価格ばかりが目立ってしまい、訴求したい内容とはずれてしまいます。

TPOをしっかりと考慮し、インパクトばかりを求めすぎてみる人に不快感を与えないように注意しましょう。

  • 補色によるインパクト

例えば全面がピンク色に囲まれている人には刺激にはなりません。逆に黒一色が前面に配色されたレイアウトのほうが、印象に残るはずです。このようにインパクトでは他であまり見ないという点が重要になるため、ターゲット層をよく把握する必要があります。

すべての人に強い刺激を与える色の組み合わせもあります。それが補色です。色相環で180度位置関係にある補色の組み合わせは色の対比が強く、見る人に強い刺激を与えます。特に彩度の高い色で組み合わせると、資格に強く影響して目立ちます。また、高彩度の色は目を引きやすいので高彩度の色だけで組み合わせた配色も人の注意を強くひきます。

  • タイポグラフィによるインパクト

見慣れたウエイトの文字と異なる太さでインパクトを与える方法もあります。極端にウエイトが違う文字は他と比べて目立ちます。細いウエイトでは視覚的な強さに欠けるので、衝撃を与えるには太いウエイトがいいでしょう。

特に極端に太いウエイトは注目を集めて、強く印象に残ります。太いウエイトで作るインパクトはポピュラーなレイアウト手法で、たびたび流行します。流行している間はいろいろなところで見かけるので、見慣れてしまい、インパクトが若干弱くなってしまうこともあるかもしれません。

ただし、原則として極端に太いウエイトの文字はほかの文字に比べて強く目立つ点は変わりません。

 イラストを活かしたい

  • イラストを活かしたい

イラストは写真ではできない表現が可能ですが、作風により印象が大きく変わります。紙面全体の印象も左右するので、表現したテーマと齟齬が出ないように配慮します。

  • なぜイラストを使うか

メインビジュアルには写真ではなく、イラストを使うことがあります。イラストは写真と比べて多彩な表現が行えます。大胆に省略したり、逆に誇張したりと、リアルに表現することもできれば、キャラクターのように見せることも可能です。

イラストの印象は描く人のタッチにも大きく左右されます。筆で書いたイラストとコンピューターで書かれたイラストでは伝わる雰囲気は自ずと異なります。

イラストをメインビジュアルに使用する場合は、どのようなイラストが一番ふさわしいのか、内容や作風などを注意深く検討することがとても重要です。

  • 正々堂々とレイアウト

メインビジュアルのイラストを紙面の中央に配置する正攻法のレイアウトは、イラストの魅力をストレートに伝えます。クオリティの高いイラストの場合は、大抵このレイアウトで見る人に十分な印象を残します。特にキャラクター系のイラストは親しみやすく、一目を強くひきます。

ただし、注意しなくてはならないのは、イラストのインパクトが強いほど、見る人の記憶にはイラストの印象だけが残ってしまうため、紙面全体で訴ええるべきテーマやメッセージが伝わりにくくなる恐れがあるという点です。

そのため、イラストのサイズを調整したり、キャッチコピーやテキストが目立つように仕掛けを施すといった工夫が必要になります。

イラストをレイアウトするときは、テーマやメッセージといった内容を伝えることが目的で、イラストはその手段であることを忘れないようにしましょう。

  • 大胆にトリミング

写真をレイアウトするときに、トリミングするのはよくある手法です。ところがイラストとなると、なかなかトリミングするといったアイデアに結びつくことはありません。

しかし、紙面から飛び出すような大胆なトリミングは、見る人に強烈なインパクトを与えることができます。

ただし、この手法ではキャラクターの全体像が見えません。キャラクターが有名で誰もが知っているような場合は、問題ないでしょうが、そうでない場合はこのレイアウトを単体で成立させるのが難しい場合もあります。ほかのページや一緒に春ポスターなどで、キャラクターの全身も見えるものを用意することもあるでしょう。また、イラストをトリミングして部分的に使うという手法は一般的ではないため、自分で書いたものでない場合は事前にイラストレーターや関係者に確認したほうがいいでしょう。

  • 余白でストーリーを感じさせるビジュアルを配置するときにあえて小さくレイアウトし、周囲にホワイトスペースを作る方法があります。写真の場合は高級感や上質さ、クールな雰囲気といった印象を見る人に伝えます。

ところがイラストの場合は、ホワイトスペースが存在することで、何らかのストーリー性を感じさせたりします。絵本や漫画では余白が重要な意味を持ち、登場人物が置かれているシチュエーションや時間の経過などを示したりします。そのため見る人はあえて小さくレイアウトされたイラストを注意深く見て、余白の意味を探ろうとするのです。

写真を活かしたい

  • 写真を活かしたい

写真はレイアウトの仕方によって、印象が大きく変わります。写真の意図やイメージが見る人に適切に伝わるように工夫しましょう。

  • 扱い方次第で写真の印象が変わる

写真は実物でのビジュアル表現ですから、そのままでは伝えたいイメージやストーリーが正しく伝わるとは限りません。例えば、つがいの馬の写真を使う場合、角版の写真だとただの2頭の馬としかとらえられない人もいます。

カップルといった文字を入れて説明する手段もありますが、それよりも写真の形をハート形にしたほうがこれらの馬がカップルだということが見るだけで直観的に伝わります。

このように写真を使う場合は、ただ紙面に置くのではなく、どのように扱えば伝えたいイメージに近づくかを考えましょう。

  • 斜め配置によるイメージの変化

まず、写真をダイナミックに見せたいケースを考えてみましょう。人は水平や垂直よりも斜めのラインに動きを感じるため、特にスピード感の演出では斜めの配置が多用されます。写真を水平においた状態と、斜めにおいた状態の比較をしてみましょう。写真の輪郭に加え、被写体の人物も斜めのラインを描いているため、動的な印象が強くなっています。水平にした状態でも被写体が斜めになっているので、動きがあるように見えます。

ただし、本来の写真とは異なる角度で見せているため、やりすぎると樹が斜めに生えていたり、服の弛みが斜めに落ちていたりする齟齬が目立ち、現実感が乏しくなることもあるので注意が必要です。

他にも写真は配置次第で様々なイメージを演出できます。例えば、丸井フレームでトリミングして様々にサイズを変えて配置すれば、浮遊感やリズム感を得られます。

  • 角版と切り抜き

写真の代表的な扱い方に角版と切り抜きがあります。角版は写真をそのまま、もしくは四角形のフレームでトリミングしたものです。切り抜きは被写体の形状に沿って切り抜いた写真です。角版は被写体の周りの風景も見えるため、周囲の状況を伝えることができ、現実感が増します。切り抜き写真は被写体の身になりますから、少し現実感が失われますが、被写体が際立ちます。また、背景に工夫することで様々な意味を込められます。

白鳥の切り抜き写真では、背景に黄色やオレンジ色を使うと温かみや楽しさを感じさせますが、紫色を使うと日口調が悲しんでいるように見えます。このように切り抜き写真では背景によって、被写体の喜怒哀楽まで変化させることもできます。

切り抜き写真はイメージをコントロールしやすくなる版面、使い方に配慮がないと意図とは別のイメージを与えてしまうかのうせいがある点に注意しましょう。

  • 角版と切り抜きの組み合わせ

角版にも切り抜き写真にもりてんがありますが、それらの利点を両方活かす方法もあります。写真の一部のみを切り抜きにする方法です。

角版の写真ではゲレンデで撮影されていることがわかり、臨場感を感じます。ところが赤丸のマークを入れたい場所に雪が飛び散っているので、このままだと見づらく、少しごちゃついた印象を与えます。

切り抜き写真にすると、どこで撮影した写真家わからなくなり、臨場感が乏しくなります。さらに無意味な余白ができてしまっているため、散漫な印象も与えてしまうでしょう。

部分的な切り抜きを利用した例では、撮影場所がゲレンデであることを伝えて臨場感を与えつつ、赤丸のマークの部分もすっきりと見せています。このように角版と切り抜きの弱点を回避してそれぞれの利点を生かせる使い方は様々なケースで重宝するので覚えてきます。